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「……はあ。」 「ちょっと、美桜。大丈夫?」 「……うん、はあ。」 十年振りに三条家を訪れてから一週間、結衣とせいちゃんと楽しく過ごしていたけど、気付いたら蓮の婚約披露パーティーの日になっていた。 早朝から結衣に起こされてエステと美容院に駆け込み、気付いた時には『R』からプレゼントされた純白のミニドレスを身に纏っていた。 全ての支度が整い、せいちゃんの運転する車で蓮の自宅に来て、離れにあるゲストルームに通され鏡に映る自分の姿を見た瞬間、気持ちが沈んで溜息しか出なくなった。 美容師の手で綺麗にアップされた髪には、結衣からプレゼントされたキラキラ輝く小さなティアラが飾られていて、足元にはせいちゃんからプレゼントされた純白のミュール。 「はあ。これじゃあ、私が主役みたい……、」 目立つのは嫌だと言ったのに、目立たないと意味がないと、結衣とせいちゃんに怒られた。 今日は蓮と婚約者の女性が主役ななのに、お客である私が目立つなんておかしいと思う。 結衣とせいちゃんが、何か企んでいる気がして落ち着かない。 「美桜、さっきから溜息つきすぎよ。煩い。」 私の気持ちなんてお構い無しの結衣は、鏡の前で着物姿の自分を笑顔で眺めている。
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