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「みい、どうした?気分でも悪い?」 心配そうな表情で私を見つめるせいちゃんは、グレーのスーツを着ていて王子様みたいにカッコイイ。 「気分が悪い訳じゃないの。何だか気が重くて……、」 「ん?気が重いって、どうして?」 「あのね?このドレス姿が派手じゃないかなって思って……、」 苦笑いした私を見て不思議そうな表情をしているせいちゃんは、私の複雑な想いに気付いてない気がする。 「派手じゃないよ?凄く似合ってる。可愛い。」 「うん、ありがとう。」 王子様スマイルで優しく微笑むせいちゃんには、お礼以外に伝える言葉が見つからない。 着替えたいって言っても聞き入れてもらえないと思うから、会場の隅に隠れて目立たないようにするしかないよね。 「美桜。私に言わせれば地味すぎよ。全く派手じゃないわ。」 「そうかな?」 「ええ。あの女が着るドレスには興味ないけど、美桜より目立たれるのは気分が悪いから、もっと派手にしても良かったかもしれない。」 「……」 今日は、私より蓮の婚約者の女性が目立たないと意味がないのに、結衣の思考回路は一体どうなってるの? 私は、目立たず地味に今日一日を過ごしたいんだけどな……。
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