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私の髪を優しく撫でながら、何度も角度を変えてキスをする蓮の唇の感触に身体が震える。
私を大人として扱う事がどうしてキスをする事に繋がるのか分からない。
「美桜、口開けろ。」
「い、嫌……っ、」
拒否しようと口を開いた瞬間、蓮の舌が滑り込んできた。
「……っ、は、ふ……っ、」
激しく絡められる舌の動きに頭が真っ白になる。
「美桜、可愛い。」
蓮は何がしたいの?
どうしてキスなんてするの?
「……れ、ん、止めて……っ、」
息苦しさから酸素を求めて顔を背けても、すぐに顎を掴まれてまた唇を奪われる。
「美桜、愛してる。」
蓮の唇が紡ぐ愛の言葉に胸が締め付けられる。
私だって蓮を愛してる。
でもこんな事をするのは間違ってる。
「……っ、う、ん……っ、」
蓮の想いを受け入れられない事が悲しくて涙が溢れる。
「美桜、俺を愛してるんだろ?他の事は考えるな。俺の事だけ考えてろ。」
私は『あの人』の人形だから、そんな事は出来ない。
「……っ、ふ、う……っ、」
「美桜、泣くな。」
蓮は私の瞳から流れる涙に唇を寄せると、私を強く抱き締め背中を摩ってくれた。
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