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「とにかく、出掛ける準備をするから蓮も準備して。」
「ああ、分かった。俺は別室で準備する。」
「うん、分かった。急いで準備するから待ってて。」
「慌てなくていい。準備が出来たら玄関で待ち合わせだ。いいな?」
「うん、分かった。」
残っていた紅茶を飲み干しテーブルの上の食器を片付けた後、出掛ける準備をするために寝室へ向かった。
「……はあ。」
寝室のクローゼットを開けた瞬間、ある事を思い出して溜息をついた。
すっかり忘れてたけど、私は蓮の婚約者という立場だったよね?
例え偽物でも蓮の婚約者だと名乗る以上は、蓮の恥になるような外見で会社へ行く訳にはいかない。
佐久間グループの副社長の婚約者として相応しい外見……。
服装もメイクも清楚な感じでまとめないと駄目だよね?
「えっと……、」
スーツは堅苦しい感じがするからワンピースがいいかな?
メイクはナチュラルにして髪を緩く巻けば、清楚な感じに見えるかな?
「うん、決めた。」
クローゼットから取り出したワンピースに着替えてメイクと髪を仕上げた後、鏡の前で入念に全身チェックをしてから寝室を出た。
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