願い

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「それが美桜の願いなのか?」 「え?」 怒っていると感じた蓮の表情から悲しみが伝わってくる。 蓮、そんな顔しないで。 「そこまでして俺から離れたいのか?」 「っ、それ、は……、」 どうしよう。 これ以上側に居たら蓮への想いを抑えられなくなるから、少しでも距離を置きたかったのに。 上手く言い返せない。 「美桜、正直に答えてくれ。俺が嫌いか?」 「っ、」 小さい頃から大好きだった蓮を嫌いになるなんて有り得ない。 愛してる。 今でも愛してるの。 「美桜、もう一度聞く。俺が嫌いか?」 「き、嫌いじゃない。だって蓮は幼なじみだから……、」 「ああ、そうだな。」 本当は愛してるって叫びたい。 胸に秘めている想いの全てを蓮に伝えて抱き締めて欲しい。 でも私には無理なの。 ごめんなさい。 ごめんなさい、蓮。 「俺を嫌いじゃないならそれでいい。一緒に寝よう。」 「で、でも……、」 「俺達は幼なじみだよな?昔のように幼なじみとして一緒に寝よう。美桜、それなら問題ないよな?」 「……はい。」 やっぱり蓮には勝てない。 昔の事を持ち出されたら何も言い返せないし、幼なじみだと言ったのは私だから。
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