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我トノ契約ヲ許可シヨウ。
再び声が響くと同時に視界一面が渦を巻くかのようにまわりの景色を吸い込んでいく。
その中心には人類とは思えぬ影が…。
影はだんだんと大きくなり、視界のほとんどを覆い尽くしていった。
見ヨ!コレガ我ノ姿ダ!
それはまるで蠅の怪物。現実世界ではあり得ない生き物の姿であった。
不安からは逃げられたものの、今度は恐怖が全身を支配しだす。
体の感覚が薄れたとはいえ、全身がガクガクと震えているのが伝わる。
怖ガル事ハナイ。我ノ名ハ《ベルゼブブ》。我ノ力ヲ求メタ心ヲ確カメサセテモラオウ。
そう言うやいなや、胸に痛みが!
痛みに閉じた瞼を開くと………。
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