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「っ、パパ、ママ、ごめんなさい。私、助けられなくて……っ、ごめんなさい。」
「美桜、落ち着け。大丈夫だ。」
取り乱す私を蓮が抱き寄せる。
蓮の温もりに包まれても身体の震えは止まらない。
「っ、蓮――…、私、パパとママに会いたい。会いたいの!!」
「ああ。」
「もう会えないって分かってるけど、出来る事ならもう一度会いたい。」
「ああ、そうだな。」
亡くなった人に会いたいなんて、馬鹿な事を言ってるって分かってる。
でも私の幸せを願ってくれていた二人に伝えたい事があるの。
蓮に再会して愛されて幸せに生きてるから心配しないでって伝えたい。
「蓮、最後にもう一度確認させて欲しいの。」
「ん?どうした?」
「本当に柳瀬光也と園田さんがパパの会社を奪ったの?」
「ああ、そうだ。間違いない。」
やっぱり本当なんだね。
それなら私が取るべき行動は決まってる。
「蓮。私、二人を許せない。パパとママを苦しめた二人を絶対に許せないの。だから二人の思い通りにはさせない。」
私達家族が受けた苦しみを二人に分かってもらう。
「ああ、俺も同じ気持ちだ。一緒に柳瀬と園田を潰して綾瀬を取り戻そう。」
「うん。蓮、ありがとう。私は柳瀬光也の婚約者になんてならないし、園田さんに蓮を渡したりしない。絶対に負けない!!」
「ああ、美桜は俺の婚約者だ。ずっと側に居てくれ。」
もう柳瀬光也と園田さんに怯えたりしない。
私は蓮を愛してるから絶対に離れない。
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