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「蓮。今日の会食に園田さんが同行するのは確かな情報なんだよね?」
「ああ、先方から佐伯に連絡が入ったから間違いない。」
多分、園田さんが会食に同行するのは蓮に会うためだと思う。
蓮の婚約者としての地位を諦めたのかは分からないけど、私と蓮が婚約した事は知っているはずだから、何か罠を仕掛けてくるかもしれない。
そんな事を考えているだけで身体が震えてしまうけど、私が冷静に対応しないと蓮に迷惑がかかるから、絶対に動揺したり取り乱す訳にはいかない。
「美桜、今日の会食では俺達の婚約について聞かれる可能性がある。」
「うん、分かってる。きっと園田さんは私を責め立てる。」
園田さんはプライドが高くて気性が荒い女性だから、私が蓮の婚約者だという事に納得していないはず。
「あの馬鹿女が何を言っても堂々としていればいい。分かったな?」
「うん、分かってる。私は大丈夫。ずっと蓮の側に居るって決めたから。」
「ふっ、それならいい。」
私が笑顔で頷くと蓮は笑顔で頭を撫でてくれた。
「蓮、まだ出発しなくて大丈夫?会食の時間に遅れないかな?」
「ああ、まだ大丈夫だ。出発時間になったら佐伯が迎えに来る。」
「そう、分かった。」
佐伯さんは会議が終わってから何処かに出掛けたのかな?
園田さんと会う前に色々相談したかったけど、佐伯さんは忙しいから私の事で煩わせる訳にはいかないよね。
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