憎悪

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「美桜が気付かないのは当たり前だ。SPだと知られないように社員として働かせている。」 「そうなの?だから気付かなかったのね。」 最近話せるようになった社員達の顔を思い浮かべてみたけど、誰がSPなのか全く分からない。 でもSPの存在を知った以上、このまま黙っている訳にはいかない。 誰がSPなのか把握しておかないと、何かあった時に冷静な判断が出来ない。 それに私の行動が蓮に報告されているなら、私をイジメている女性社員達の立場が悪くなる。 それだけは阻止したい。 「美桜、誰がSPなのか知りたいか?」 「うん、知りたい。教えてくれる?」 「駄目だ。もし教えたら美桜は女共を庇うだろ?」 「っ、そ、それは……、」 もしかして蓮に気付かれた? 動揺と焦りで上手く話せない。 私は彼女達を庇いたい訳じゃなくて、彼女達にSPの存在を話して私から手を引いてもらおうと思っただけ。 そうしないと蓮が動き出す。 学生時代にイジメられていた時の事を思い出すと身震いがする。 蓮が解決して大騒動になったから、今回は蓮が彼女達に手を出す前に自分で解決したい。 彼女達は佐久間の社員だから、蓮が手を出せば副社長としての立場が悪くなる。
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