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「こんなに小さな機械で会話が録音出来るんですね。初めて間近で見ました。」
「最近のボイスレコーダーはとても性能が良いので、美桜さんとそこの性悪な園田さんの会話録音は完璧ですよ。」
「っ、」
口を挟まずに私達の会話を聞いていた園田さんは、佐伯さんに冷たい視線を向けらた瞬間、顔を真っ青にして唇を噛み締め身体を震わせた。
佐伯さん、凄く怖い。
いつも丁寧な口調で話す佐伯さんの口から『性悪な園田さん』という言葉が出てきた事に驚きを隠せない。
ガタガタという音が聞こえてきそうな程震えている園田さんの気持ちがよく分かる。
「美桜さん、話の続きですが……、園田さんからある情報を引き出すために一番必要だったのは美桜さんの存在です。何故だか分かりますか?」
「私の存在が必要だった理由ですか?」
佐伯さんの言いたい事が分からない。
蓮の計画は成功したと言っていたけど、私と園田さんの会話の中に証拠となる何かがあったのかな?
私は自分の気持ちを伝えただけで、園田さんから何かを聞き出した覚えがない。
どんなに考えても私が居た事で蓮の計画が成功したとは思えない。
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