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「はは、貴女が私を潰す?冗談でしょう?」
「貴方、私を馬鹿にしてるの?」
「ふっ、馬鹿にしているのは貴女でしょう?私が貴女レベルの女に潰される訳がありません。」
「っ、」
馬鹿にしたように笑う佐伯さんを見て、園田さんの表情が苦渋に歪む。
「私は佐久間の副社長である蓮様の秘書です。貴女に潰されるような低脳では蓮様を守れません。御理解いただけましたか?」
「……そう。貴方は自分に自信があるのね?素晴らしいわ。でも私はそんな貴方の苦しむ顔が見てみたいわ。」
「ふっ、そうですか。貴女の楽しみを奪うようで申し訳ないのですが、一生お見せする事はないと思います。残念です。」
「っ、余裕でいられるのも今のうちよ!!覚悟しなさい!!」
挑発するような園田さんの言葉を軽く流した佐伯さんの表情は、何だか楽しそうに見える。
佐伯さんはとても優秀な人だから嫌味なんて通用しない。
どんな言葉を投げ掛けても笑顔で流されるから、相手は苛々して取り乱してしまう。
「佐伯、もう止めろ。」
「ふっ。はい、申し訳ありません。少し遊びすぎてしまいました。」
長く続きそうだった言い争いは蓮の一言で終わりそう。
私が二人の間に入って止める事なんて出来ないから、この場に蓮が居てくれて本当に良かった。
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