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蓮のために何かしたい。
蓮の支えになりたい。
今でも蓮を『愛してる』と伝えたい。
素直にそう思える。
柳瀬光也との問題が全て解決するまでは蓮に想いを伝える事は出来ないけど、私が今でも蓮を想っているという事だけは分かって欲しいから、蓮から与えられる愛情は受け入れたいと思ってる。
「美桜さん。」
「あ、はい!!佐伯さん、どうかされましたか?」
仕事の手を止めて考え事をしていたから、佐伯さんが部屋へ戻って来ていた事に気付かなかった。
もう会議終わったのかな?
少し気になって出入口のドアに視線を向けたけど、蓮が戻って来る様子はない。
「副社長はまだ会議中です。もう暫くお時間がかかります。申し訳ありません。」
「い、いえ!!大丈夫です!!申し訳ありません。」
秘書として大先輩である佐伯さんに丁寧な物腰で頭を下げられた事に焦ってしまう。
「美桜さん、謝らないで下さい。本日の会食の件でお伝えし忘れていた事がありましたので、副社長から少しだけお時間をいただき戻って来ました。」
顔を真っ赤にして焦っている私に冷静な態度で優しく微笑みかけてくれる佐伯さんは、やっぱり優秀な秘書なんだと尊敬する。
私のように考えている事がすぐ態度に出ているようでは、副社長の秘書として相応しくない。
だから佐伯さんを見習ってもっと頑張ろうと思う。
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