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「佐伯さん、会食の件で伝え忘れていた事というのは何でしょうか?」
「はい。本日の会食のお相手は園田財閥の関係者で、園田香織さんが秘書として同行する可能性があります。」
「園田香織さん――…、」
蓮が何かの証拠を得るために近付き『蓮の昔の恋人』という存在である私のせいで傷付けてしまった女性。
『必ず貴方と恋人を潰してやる』と言った園田さんの言葉が忘れられない。
憎しみが篭った瞳で蓮を睨みつける園田さんの姿を思い出すだけで身体が震える。
「美桜さん、大丈夫ですか?顔が真っ青です。」
「はい、申し訳ありません。大丈夫です。」
園田さんの名前を聞いて動揺したせいで佐伯さんに心配をかけてしまった。
『EDENのミオ』を演じている時のように冷静でいないと、今日の会食で蓮の足を引っ張ってしまうかもしれない。
「美桜さん、安心して下さい。今日の会食には私も一緒に同行する事になりました。」
「佐伯さんも一緒にですか?」
「はい。園田香織さんが同行する可能性があるという情報が入りましたので、私にも同行するようにと副社長から言われました。美桜さんを守るために同行させていただきます。」
「佐伯さん。私のために申し訳ありません。」
私が頼りないせいで忙しい佐伯さんに負担をかけてしまう。
でも園田さんに対して冷静に対応する自信がないから、佐伯さんが一緒に居てくれたら凄く安心する。
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