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「蓮、今は食事中だよ?分かってる?」
「ああ、分かってる。美桜、急にどうした?」
不思議そうな表情で私を見つめている蓮は、質問の意味が理解出来ないんだと思う。
私だけが思っているのかもしれないけど、食事って楽しい話をしながらするものじゃないの?
『懲らしめる』とか『潰す』なんて会話をしながら食事するなんておかしい。
「ずっと蓮とせいちゃんの会話を聞いていたけど、食事中に危ない話は止めて欲しいの。」
まだ何も解決していないけど、四人で過ごしている時は、楽しい事だけ考えて過ごしたい。
「ああ、そうだな。美桜、悪かった。」
「みい、気付かなくてごめん。」
「ううん、もういいから謝らないで。」
話のきっかけを作ったのは私だから、謝罪しながら頭を下げる二人を見ていると、何だか申し訳ない気持ちになる。
「ねえ、美桜。明日は暇?いえ、暇よね?」
「……え?」
結衣、いきなり何?
今まで黙ってシャンパンを飲んでたのに、一体何を思いついたの?
結衣の表情がキラキラ輝いてるって事は、絶対に良い話じゃない。
結衣は私が暇だと決め付けているから、はっきり断らないと厄介な事に巻き込まれる。
「結衣。私、明日は……、」
「結衣、断る。美桜は暇じゃない。」
『明日は忙しいから』と断って謝るつもりだったのに、何故か蓮が断ってしまった。
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