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「ちょっと、蓮。私は美桜に聞いてるのよ?関係ない人は黙ってて!!」
はあ、予想的中。
私の代わりに蓮が答えたから、絶対に結衣は怒ると思った。
こうなってしまった結衣を宥めるのは凄く大変。
「結衣、煩い。美桜は俺との約束があるから、お前には付き合わない。」
私、蓮と約束なんてしてたかな?
出席しないといけないパーティーもないから、何処にも出掛ける予定はなかったはずだけど……。
「美桜、蓮との約束って何?」
「え?うーん、特に何か約束した覚えはないんだけど……、」
結衣の質問に答えながら隣に座る蓮に視線を向けてみたけど、私の頬を撫でて優しく微笑むだけ。
全く意味が分からない。
「蓮、明日は本当に予定があるのか?」
「ああ、予定が入ってる。」
「その予定内容は?」
私と結衣が知りたい事を聞いてくれるなんて、やっぱりせいちゃんは頼りになる。
「明日は美桜と別荘へ行く。」
「別荘?」
「ああ、明日は仕事が休みだからな、ゆっくり別荘で過ごす。」
「そうか、別荘ね。」
静かな場所でゆっくり過ごせるのは嬉しいけど、やっぱり約束した覚えがない。
蓮との約束を忘れていた訳じゃなくて良かった。
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