お誘い

12/16
前へ
/33ページ
次へ
「ちょっと、蓮。私は美桜に聞いてるのよ?関係ない人は黙ってて!!」 はあ、予想的中。 私の代わりに蓮が答えたから、絶対に結衣は怒ると思った。 こうなってしまった結衣を宥めるのは凄く大変。 「結衣、煩い。美桜は俺との約束があるから、お前には付き合わない。」 私、蓮と約束なんてしてたかな? 出席しないといけないパーティーもないから、何処にも出掛ける予定はなかったはずだけど……。 「美桜、蓮との約束って何?」 「え?うーん、特に何か約束した覚えはないんだけど……、」 結衣の質問に答えながら隣に座る蓮に視線を向けてみたけど、私の頬を撫でて優しく微笑むだけ。 全く意味が分からない。 「蓮、明日は本当に予定があるのか?」 「ああ、予定が入ってる。」 「その予定内容は?」 私と結衣が知りたい事を聞いてくれるなんて、やっぱりせいちゃんは頼りになる。 「明日は美桜と別荘へ行く。」 「別荘?」 「ああ、明日は仕事が休みだからな、ゆっくり別荘で過ごす。」 「そうか、別荘ね。」 静かな場所でゆっくり過ごせるのは嬉しいけど、やっぱり約束した覚えがない。 蓮との約束を忘れていた訳じゃなくて良かった。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

96人が本棚に入れています
本棚に追加