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「ねえ、美桜。蓮と別荘へ行くって知らなかったの?」
「うん。仕事が休みなのは分かってたけど、別荘へ行く事は知らなかった。」
「ふーん、そう。」
結衣のお誘いを断るのは申し訳ないけど、二人きりで休日を過ごせるようにって考えてくれた蓮の気持ちが嬉しい。
今日は色々あって疲れたから、明日は楽しく過ごせるといいな。
「ねえ、聖也。」
「ん?結衣、どうかした?」
「明日は私達も暇よね?」
怪しい笑みを浮かべる結衣を見て嫌な予感がする。
「くすくす、そうだね。明日は暇だよ。」
せいちゃんは、そんな結衣を見て楽しそうに笑ってる。
蓮の様子が気になってチラリと盗み見ると、眉間に皺を寄せて結衣を睨みつけている。
はあ、何だか面倒な事になりそう。
「ねえ、蓮。」
「何だ、結衣。帰りたいのか?そうか、分かった。早く帰れ。」
「ちょっと、まだ帰らないわよ!!勝手に決め付けないで!!」
「はあ、だったら何だ。用もないのに俺を呼ぶな。」
「ふふ、用があるから呼んだのよ?明日は私と聖也も別荘へ行くわ!!」
「断る。俺達の邪魔をするな。」
はあ、やっぱりそうなるよね。
蓮以上に我が儘な結衣が、すんなり別荘へ行かせてくれる訳がなかった。
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