96人が本棚に入れています
本棚に追加
「それじゃあ、また明日!!美桜、蓮、おやすみ!!」
「みい、蓮、おやすみ。」
「結衣、せいちゃん、おやすみなさい。」
満面の笑みを浮かべて帰って行く二人の姿を見送った後、隣に立つ蓮に視線を向けた。
「美桜、部屋に行くぞ。」
「はい。」
部屋に向かって歩き出した蓮の後を追い掛けていると、数分前までダイニングで繰り広げられていた会話を思い出した。
せいちゃんと結衣も一緒に別荘へ行く事になった瞬間から、蓮の機嫌が悪くなってしまって大変だった。
『凄く楽しみ!!』とはしゃぐ結衣に『俺は最悪な気分だ。』と言ってふて腐れたり……。
『明日は何時に待ち合わせ?』と笑顔で尋ねる結衣に『俺は美桜と二人で行く。お前は聖也と来い。』と言って結衣を怒らせた。
「……はあ。」
明日の事を考えると気が重い。
せいちゃんは言い争ったりするタイプじゃないから、一緒に居ても静かに過ごせるけど、蓮と結衣の二人が居たら絶対に無理。
王様気質の蓮と女王様気質の結衣は性格が似ているから、いつも何かとぶつかり合う。
そんな二人の間に挟まれる私とせいちゃんは、いつも大変な思いをしている。
はあ、別荘に行けるのは嬉しいけど凄く疲れそう。
最初のコメントを投稿しよう!