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「……はあ、予想通りの展開だな。」
着替えを済ませた後、蓮と二人で外に出ると、いつの間にか部屋から居なくなっていた結衣とせいちゃんが笑顔で立っていた。
「蓮、怒らないでね?」
「ああ、大丈夫だ。」
二人を睨みつけていた蓮の手を握って声を掛けると、穏やかな笑顔で頷いてくれた。
良かった。
この様子だと仲良く四人で出掛けられそう。
「美桜、遅かったわね?」
「結衣、ごめんね。洋服が決まらなくて悩んでたの。」
蓮がクローゼットに片付けてくれた洋服を、何着も取り出して着てみたけど、どの洋服もしっくりこなくて、結局は蓮の好きなワンピースにしてしまった。
何だか蓮の事しか考えてないみたいで恥ずかしいけど、愛する人の好みに合わせたいと思うのは、恋をしている女性なら誰でも持つ感情だと思う。
「ふふ、蓮が好きそうなワンピースね。凄く似合ってるわ。」
「結衣、ありがとう。」
結衣は私の気持ちを理解して言葉を掛けてくれる。
それが本当に嬉しい。
蓮とせいちゃんは男性だから、恋する女性特有の感情には疎かったりする。
その証拠に、二人は私と結衣に視線を向けて不思議そうな表情をしている。
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