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「美桜、どうした?決まらないか?」
「……うん。お出掛けしたいって思っただけで、何処へ行きたいかは考えてなかったの。蓮は行きたい場所とかある?」
自分では決められないから、蓮に任せよう。
狡い考えだけど、早く決めないと出掛けられなくなってしまう。
「俺は美桜と一緒に居られるなら何処でもいい。美桜も同じ気持ちだろ?」
「蓮――…、」
ストレートに甘い言葉を囁かれると、恥ずかしくて何も言い返せないけど、蓮が私と同じ気持ちでいてくれる事が凄く嬉しい。
私には甘い言葉を囁く事は出来ないけど、蓮に対する気持ちだけは、ちゃんと言葉にして伝えたいって思ってる。
「……ねえ、そこのバカップル!!私達の存在を忘れてない?」
「……あ、」
どうしよう、すっかり忘れてた。
結衣とせいちゃんも一緒に居たのに、蓮しか目に入ってなかった。
「……はあ。まあ、いいわ。美桜、水着を買い行くわよ。」
「……え、水着?」
洋服を買いに行くなら分かるけど、水着なんて必要ないよね?
「美桜、ボーッとしないの!!この近くに海があるから、水着を買って泳ぎに行くわよ。」
正直、行きたくない。
真夏の時期に海なんて行ったら人が多いし、スタイルに自信がないから、蓮の前で水着姿になりたくない。
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