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「結衣。お前は馬鹿か?」
どうやって海へ行くのを断ろうかと考えていると、蓮が結衣に声を掛けた。
「……蓮。馬鹿ってどういう意味よ。」
蓮に『馬鹿』だと言われた事が気に入らないのか、結衣は鋭い視線で蓮を睨みつけている。
「俺が美桜の水着姿を他の男達に見せると思うか?海は却下だ。どうしても行きたいなら、聖也と二人で行って来い。」
蓮は周りの目を気にしてるみたいだけど、私は蓮に見られるのが一番嫌なんだけど……。
でも、蓮の発言で海へ行く計画が無くなれば嬉しい。
「……はあ。これだから、独占欲が強くて束縛する男は嫌いなのよ。」
「……結衣、何が言いたい。」
何だか二人の間に火花が散ってる気がする。
物凄く雲行きが怪しくなってきた。
「もっと美桜に自由を与えてあげなさいよ。そんなに縛り付けてたら、いつか逃げられるわよ?」
「ふっ、美桜が俺から逃げる?有り得ない。」
結衣が私の事を考えてくれるのは嬉しいけど、喧嘩になるから蓮を挑発するのは止めて欲しい。
私は蓮に束縛されても嫌じゃないし、もう二度と蓮から離れたりしない。
この決心は何があっても揺らがないから。
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