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「みい。二人の意見なんて気にしなくていいんだよ?みいの素直な気持ちを聞かせて。」
「……うん。水着姿になるのが恥ずかしいから、海に行くのは嫌だけど、蓮と二人じゃなくて四人で出掛けたい。」
せいちゃんの優しい声に促されて口を開いたのはいいけど、隣に立つ蓮から強い視線が向けられている気がする。
何だか悪い意味でドキドキする。
「美桜。俺に水着姿を見られるのが恥ずかしいのか?可愛いな。」
「……え?」
恐る恐る蓮に視線を向けると、笑顔で私を見ていた。
私が四人で出掛けたいって言ったから、機嫌が悪くなったかもしれないって思っていたのに、物凄く機嫌が良さそう。
「美桜、何処に行きたいんだ?海以外なら何処でもいいぞ。」
「う、うん。」
蓮、どうしたのかな?
さっきまで結衣と言い争って不機嫌だったのに、今は物凄くニコニコしてる。
「蓮、気持ち悪いわよ。ニヤニヤしないで。」
「結衣、口を閉じろ。俺が美桜と話してる時は邪魔をするな。」
「それは無理よ。本当に気持ち悪いんだから、黙っていられないわ。」
「……結衣、後で覚えてろ。」
私には蓮がニコニコしているように見えていたけど、結衣にはニヤニヤしているように見えていたみたい。
ニコニコとニヤニヤだと受け止め方が全く違うから、蓮が不機嫌になるのも無理はないと思う。
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