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「……れ、蓮。」
「ん?美桜、どうした?何処に行きたいか決まったのか?」
二人の言い争いが始まらないように呼び掛けてみたけど、何処に行きたいかは決まっていない。
「とりあえず、別荘地から離れたい。行きたい場所は移動しながら決めていい?」
「ああ、分かった。そうしよう。」
良かった。
流石に車の中では言い争ったりしないと思うから、行きたい場所はゆっくり考えよう。
「蓮。俺が運転するから、みいと後部座席に乗って。」
「ああ。美桜、乗るぞ。」
「うん、分かった。」
「結衣は助手席だよ。いいね?」
「……分かってるわよ。」
私と蓮が後部座席に乗ったら、結衣が煩いかもしれないって思ってたけど、せいちゃんのおかげで大丈夫みたい。
普段は優しくて王子様のようなせいちゃんは、実は怒らせると一番怖い人だから、いくら女王様な結衣でも勝てないよね。
「みい。とりあえず、街の方まで行けばいいかな?」
「うん。せいちゃん、よろしくお願いします。」
「それじゃあ、出発するよ。」
せいちゃん言葉を合図に走り出した車は、ゆっくりと別荘地を後にした。
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