96人が本棚に入れています
本棚に追加
「美桜、驚いたみたいね?ふふ、面白かった。」
「くすくす。結衣が驚かそうって言うから、玄関を開けても見えない位置に隠れて待ってたんだよ。」
得意げな表情で笑う二人は、悪戯が成功した時の子供みたい。
いきなり二人が現れて動揺してしまったけど、二人に会えた事は素直に嬉しい。
「おい、何しに来た。帰れ。」
あ、どうしよう。
二人の登場に思考が奪われて、隣に立っている蓮の事を忘れてた。
私を抱き寄せて二人を威嚇している蓮は、二人が家に居た事が気に入らないみたい。
今日は園田さんの事で疲れてると思うから、蓮には先に休んでもらって、私が二人の相手をした方がいいよね?
「何しに来たって、美桜に会いに来たのよ。決まってるでしょう?」
「俺達は、みいと一緒に夕食を食べたくて来たんだよ。いつも蓮がみいを独占するなんて狡いだろ?」
「ちっ、帰れ。邪魔だ。」
今日の会食では何も食べられなかったから、二人と食事出来るのは嬉しいけど、蓮の態度から判断すると難しい気がする。
「私達は蓮に用はないの。蓮は早く部屋で休めばいいんじゃない?ねえ、聖也?」
「ああ、そうだね。蓮、引き止めて悪かった。みいの相手は俺達に任せて休んでいいよ。」
結衣とせいちゃんは、蓮が怖くないの?
明らかに不機嫌な蓮を前にしても、余裕な態度で笑える二人に感心する。
最初のコメントを投稿しよう!