1人が本棚に入れています
本棚に追加
今日の為に先日購入した黄色いワンピースの裾を翻しながら、ナタリーは待ち合わせ場所へと走る。
珍しく幼馴染みであり彼女の想い人でもあるキースから遊園地へ遊びにいこうと誘われ、早めに行くつもりが支度に時間をかけすぎて走るはめになってしまったのだ。
待ち合わせのゲート前に彼の姿を見つけたが、ナタリーはすぐには駆け寄らずに一度建物の陰に身を隠して鏡を取り出し、乱れがないかチェックした。
「よし!」
気合いを入れて建物の陰から出てキースの方を見ると、何やら女の子二人と話しているので、ナタリーはムッとした。
キースは実際よくモテる。
顔も頭も良く、何より女の子に対して優しいので、ナンパの成功率もかなりのものだし、逆ナンもよくあるようだ。
今日は私とデートじゃなかったのか!?と思ったが、今までも一緒に居ても好みの子がいれば平気で声をかけるような無神経な男でもあるので、ナタリーはその場から動けずにいた。
最初のコメントを投稿しよう!