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 このまま帰ってしまおうかとナタリーが考えていたら、キースがナタリーの姿を見つけて名を呼んだ。 「ナタリー、遅いぞ」  女の子たちはナタリーを見て驚いた顔をしたが、キースに何か告げるとそのままゲートの奥へと進んでいくので、ナタリーはやっとキースの前へ行く。 「ナンパしてたのか?」 「待ち合わせだって言っても、なかなか信じて貰えなくてね。モテる男は大変だよ」  キースの軽口を、ナタリーはいつものように切り返せなかった。 「ナタリー?」  キースが元気のないナタリーを心配して顔を覗き込む。 「あ、いや、何でもない。遅くなって悪かったな。さ、中に入ろう」  先に行こうとするナタリーの手首をキースが掴んだ。 「混んでるから、はぐれるなよ」  そう言うと、キースから手を繋ぐのでナタリーはあっという間に真っ赤になった。
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