4/10
前へ
/27ページ
次へ
 最近オープンしたばかりのテーマパークは、小規模ながら家族連れやカップルで賑わっていた。  ゲートを抜けて目の前にある沢山のアトラクションを見ると、ちょっと落ち込んでいたナタリーのテンションは一気に上がった。 「キース、あれに乗るぞ」 「あんなのに乗りたいのか?」  ナタリーが嬉々とした表情で絶叫マシンを指差すので、キースが呆れながら返した。 「遊園地に来て、絶叫マシンに乗らずしてどうする!」  戦闘機乗りのキースからすれば、絶叫マシンのスピードやGなどは本当に子供だましも良いところなのだが、マイクロン化したナタリーのこのサイズではそのスピードもGも体感出来ないので、少しでもスリルを味わいたいのだろう。 「怖くても泣くなよ」 「泣くか!」  ナタリーの反応に、キースがいつものナタリーだと嬉しそうに笑った。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加