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 ナタリーが今日着ているのは、先日同僚の綾川エイミーと共に買いに行ったもので、自分が選ぶと同じような物になってしまうので、彼女に見立ててもらったものだった。  普段のナタリーの服装の好みを知っているキースが、 「たまにはこういうのも良いかもな」  と感想を述べるので、 「相変わらず、口だけは達者だな」  と、ナタリーも照れながらも腕を自分の前で組んでチクリと嫌味を言ってやった。  二人はしばらく目の前を通りすぎる人々を眺めて、休息を満喫していた。  戦争を経験したからこそ、幸せに感じることのできる「何事もない日常」。  ナタリーは実はキースの隣に居て、何も話さないこの時間・空間が好きだった。  幼少の頃から近くにいた彼とは無理に話題を探す必要もないし、近くにいてくれるだけで胸の奥がほんわかと温かくなる感じがするからだ。
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