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さやかせんせいに一体何があったんだ?眼を赤くして。
「ごめん。いきなり抱き締めて。やから怒ってるんやね?」
ホンマや。何が、一体なにがあったんだ?やねん。いきなり抱き締めてしまったら、誰でも、びっくりして怒るちゅうねん。
僕は、停止していた思考回路を必死に回復させて、フル回転して、言葉を絞り出した。
まだ相変わらずのさやかセンセイ。
「例の年上の彼氏と何かあったか?」
顔色が変わった事を見逃さなかった。
すると、堪えきれなかったのか、一粒、また一粒、と、その次はもうボロボロと涙が出てきた。
図星みたいやった。
そんな、不安定な情緒な時に、朝から僕は何をしてるねん。
ほんの朝の次がいつ訪れるかわならない、出会いの事をずっと引きずって、オロオロしてる時に、ずっと半日フォロー入れ続けてくれてた。
そんな、状態やったのね。
ごめん。さやかせんせい。
センパイの僕が気付かずに誰が気付くねん。
「せんせい。ごめんなちゃい。ちょっと色々昨日にあって。何とか平静を保ってきたつもりやったんですけど、急に、事故とはいえ、不意打ちに抱き締められちゃったので、プツって。痛いですよ。いきなり叩いちゃ。かなり、フルスイングでしたよ。
ダメ。涙止まらへん。」
泣き崩れていたけど、子ども達を起こさぬ様に、泣き声をころしながら、泣くさやかせんせいに、僕は咄嗟にアタマを撫でて泣き顔を見ない様に、違う方向を見ながら…。
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