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「せんせい。優しくしやんといて。そんな事されたら、もうあかんやん。涙止まらなくなるじゃないですか。
なんで、そんなに優しいんですか?」
そう言って、再び、僕の腕を掴んでる手が力強くシャツをつかんできた。
僕は泣き出したさやかせんせいをこれ以上、おちこます訳にはいかない。さらに、背中をポンポンと叩いた後、さやかせんせいの手に重ね、力んでる手を解してあげた。
「そんなん、決まってるやない。そんな落ち込んでる相方を見たくないよ。今日、上の空やった、僕をそんな状態で午前中フォローしてくれたやん。僕そんな事になってたなんて、当然知らんかったやんか。ホンマにありがとうやで。でも、覚えてる?クラス発表があって、任命式の時に、横に座ったさやかせんせいに、言った事覚えてる?隠し事はなしな。最強のコンビにしよな。って。
まぁ。別に言いたくない事まで、言わんでもええけど。そんな、さやちんをセンパイの僕がほっとかへんって。」
泣きじゃくるさやかせんせいのもう一度アタマを撫でた。
「なぁ。さやちん。我慢してた分泣いてもいいし、僕で気が済むならずっとくっついてて貰ってて、全然ええんやけどさ、僕のカラダ汗臭くない?今日は特に暑いし。大丈夫か?」
「大丈夫です。わたし、匂いフェチやから、全然OKです。」
泣きじゃくるさやかセンセイが、何を言ってるのか、聞き取れない部分があったけど、
「もうすぐ、真衣ぽんくるで。連絡ノート持ってきてくれるし。でその時、この状態はいかがなもんかなって思わへん?廊下側はカーテンしまってるから別にええねんで。僕も別に構わへんし。でもさやちん。がなぁ…」
「わたしも別に構いませんよ。はやとせんせいですし。それに、園長先生にバレなければいいんじゃないですか?って思ってますし…まぁそんな訳にはいかないですよね。仮にも聖なる教室ですしね。あぁ。久々に号泣してもうたかも。すんません。はやとセンセイのシャツ。ビチョビチョになってしまった…」
顔色も少し明るくなってきた。泣いた事がよかったのかな。
ようやく、さやかセンセイの涙も徐々に収まってきた。
身体をようやく起こしたさやかセンセイ。ようやく僕の身体は解放された。
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