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「センパイ。女のコってどういう事ですか?現場でも、ちゃんと女で居ようと気をつけてます。それとも、女のコとして見てくれてなかったって事ですか?」
キタ~。そうくるよね~やっぱり。状況がよくなればとふと思い言った発言が、予想通り180度反対方向へ行ってしまった。でも、それでもまだ泣いてるとはいえ、顔をあげてくれた。それは良しとしなきゃかも。でも、眼は真っ赤で、アイラインも落ちてしまって、かなりよろしくない顔してる。こんな状況で真衣ぽんに来られるとマズイ…。
「それに、今言いかけた事、なんですか?すっごい気になる。教えてくれなきゃ、みんなに、はやとせんせいに泣かされたって、言いふらしてやる。あっ。真衣せんせいに言おっかな。」
めっちゃマズイ状況。この状況は逃げきれないかも、しれない。あれは、口が裂けても言えない。
めっちゃ引かれるし、嫌われるかもしれん。でも、回避するベクトルは見つからない。うぅん。ここは、泣いとくか。
アカン。そんな事したらもっとアカン。マイナスやわ。
どないしよ。
この状況の中で思考回路をフル回転させてみた。
でも、回答まで導いてくれなかった。
「きっと良くない事なんでしょ。怒らないから言ってみ?」
そういうさやかセンセイの顔を、見る事は出来ず、そっぽ向いて、コーヒーを作り出した。
「ホンマに怒らへんの?約束出来るん?」
「今、最悪のどん底やから怒る気がしない。言ってみて下さい。もうさっきの発言で、正直プチってキレてるんですけど。」
「そうやんな。さやちん。可愛い女のコやもんね。さっきの発言は撤回するわ。でも、チョット意識してもうた。ドキドキしたんやで。これはホンネ」
そう前置きした上で、出来たコーヒーを前に置いて、もう一度、さやかせんせいの前に正座した。
そして、さやかせんせいの顔を覗きこみ、ぼくはさやかせんせいの顔を真面目な眼をして、覚悟を決めた。
「うん。あのね。さやちん、抱きついてきたでしょ」
「よく言いますね。センパイ。言葉間違えてます。抱きついたんではなく、センパイに抱き締められたんです。お間違いのなきよう」
「重ね重ね申し訳ないです。で、その時気付いたの。」
聖なる子どもたちの学ぶ教室で、禁断の世界に一石を投じるのか?覚悟を決めながらも、まだ迷う自分がいる。でももう逃げられない。
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