僕が太陽

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「さやちん。涙出てるやん。まだ。ほら……。」 そうさやかセンセイの瞳を見つめて、頬をつたう両目の涙を両手の親指で拭い、ホンの自然に、さやかセンセイの唇を奪ってしまった。 不思議と、不自然にではなく、ごく自然に、互いに顔を引き寄せ合い、唇が重なり合った。 妙に違和感がなかったんだよね。全然…。 そうホントにどこにでも居てるお互い好き同士の彼氏彼女の様ななんでもないキスの時間。 ホンの一瞬であった。唇が重なり合った後、僕たちは、事の重大さに苛まれた。 その瞬間から互いに目を見れず、僕はその状況にいたたまれず、とっさに本来の仕事に戻り一口さっき作ったコーヒーを口のなかに含み日誌に目をやり、何事もなかったかの様に今日の出来事を記入しだした。 一方のさやかセンセイは、この状況を把握したらしく顔が急に赤くなり、僕のタオルを鷲掴みして、トイレに駆け込んだ。恐らくさやかセンセイもこの場に居れなくなったんだと思う。 互いに別々になった時、タイミングよく、まいセンセイは、教室のドアを開けて、部屋に入ってきた。僕は、あくまで平静を装いつつ、何もなかっかのように日誌に目をやっていたが、何かの様子に勘付いたらしく、第一声は、 「勇人センセイ。なんかあったん?何か、様子が硬いのは気のせいか?何か、様子がおかしい?その日誌に向かってるその仕草が、そもそもおかし過ぎる」 「そんな事ないんちゃう。いつもと変わりないで」 「そんな事ないわ。あなたとは、何年の付き合いやと思ってるの。」
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