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さやかせんせいが、笑顔で話してくれればくれるほど、腫れてる目が痛々しいと思う。
我慢して笑ってくれてんのかなって思うし、無理して元気に振舞ってくれてんのかなって思う。
僕はそう思いながら、目の奥から出てきそうなものを感じていた。
「えっ?センパイどうしたんですか?何で?」
そう言うのも無理はない。
自分が蒔いたたねが、自分に降りかかってきた。
僕が、数分前に蒔き散らした行為だ。僕があんな事をしなければ、こんな事にはならなかった。全部自分が悪い。
そう、これは汗ではない、頬をつたうのは、確かに紛れもなく涙。
「分からへんねん。自分でもよう分からへんねん。やから、あんまり気にせんといて。でも、ホンマにごめんやで。こんな事になって。僕が悪いから。ちょっと、なんやろ。この気持ちは」
「センパイ。ホンマに優しいわ。でも、ホントにさっき言った事ホンマなんですよ。去年入職して、まいせんせいと一緒のコンビやったでしょ。凄く外から見てて、いいクラスやなって思いながら見てた。こんな先生と一緒のクラスでやって行きたいなって思ってて。そしたら、さっそく今年その願いが叶って、こうしている。センパイは、わたしの理想なんです。
子どもたちの太陽ってかんじで。こんなまだまだ2年目の保育士ですけど、これからもよろしくお願いします。あぁ。さっきも言ったけど、センパイにホンマに少し前に出会えてたら良かったのに。あと2年早くに産まれてたらなぁ。はやとせんせいにくっついてたのになぁ。シアワセやったろうに残念」
あかん。これはマズイ。この感情。この想い。自分の気持ちの中で、今必死に騙してきたけど、これは、あったらあかんやつ。同じクラスで子どもたちの為に互いに頑張っていかなあかんのに。
それに、朝の電車での「まつだふみ」に癒されたばかりやのに。
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