6時40分発の3両目のシアワセ

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「そうなんですよね。私も自分の世界に入っちゃってますわ。テスト前の勉強したり、レポート纏めたり、あと仕事の事で覚えなあかんとことかあればって、まぁそれは、毎日か!」 最後の語尾になるにつれて、ぶつぶつ独り言のように、なっていった。この学生で仕事って、アルバイトかなんかかな。 そう思いつつ、何とかはなしを逸らす事に成功して、ふと女のコの顔を見上げた。横顔だったけど、何か、よう説明できないけど、味わったことのない、オーラというか、雰囲気を感じた。 可愛いと思うのは、当たり前という程の鼻すじがすうっと通っていて、なんせ、唇が、ラメが入っていてキラキラしてて。それでいてとてもいい匂い…。 これで女子高生って言った自分の人の見る目の無さに、落ち込むわ。と思う程ヘコんだ。 「仕事で覚えなあかん事があるって、学生さんやのに大変やね」 そう切り返すと、一変顔色が一瞬変わったように見えた。 なんか言ったらマズイ事言ってもうたんかな。
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