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ホストクラブを経営している貴司は、従業員と同じようにホストとして店に出ている。
オーナー自ら店に出る必要があるのか聞いた時、若い奴に負けたくないと言った貴司に呆れた。
若い奴と売上を競っているのが原因なのか、いつまでたってもチャラチャラした風貌の貴司は、とにかく女に対して軽い。
だから貴司と理奈を会わせたくなかった。
親友の女に手を出すような奴ではないが油断は出来ない。
「貴司、少しは静かに出来ないのか?お前が親友なんて恥ずかしい。」
「お前、盛大なパーティーを準備してやった俺に礼ぐらい言えないのか?」
「俺は頼んでない。」
挙式と披露宴が終わった後は、明日のハネムーン出発に向けてホテルでゆっくり過ごす予定だった。
俺は一刻でも早く理奈と二人っきりになりたかった。
それなのに馬鹿な親友は、友人達だけを集めたパーティーを準備したと誘って来た。
マジで軽く目眩がした。
例え友人でも理奈の可愛い姿を見せたくない。
俺の中に潜む強い独占欲に気付いたのは、理奈と付き合い始めてから。
鈍感で天然な理奈は、自分の可愛さに全く気付いてない。
元々色素が薄い理奈は、栗色の髪に薄茶の瞳で日本人離れした容姿をしている。
色白で小柄な理奈が俺を見上げて話す仕種は、理性を失わせる程の可愛さだ。
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