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「理奈ちゃーん!!修二が俺を虐めるー!!」
「え?」
「俺を慰めてー!!」
「あ、あの、」
貴司は冷たい態度の俺を相手にする事に疲れたのか、理奈に助けを求めようと手を伸ばした。
「おい、理奈に触るな。」
「ちっ、冗談に決まってるだろ?」
「お前の行動は冗談に見えない。」
「あははは!!」
理奈を背中に隠した俺を見て笑い出した貴司の声は、友人達の集まる会場中に響いた。
俺の大切な理奈に触れようとした貴司に軽い殺意を抱く。
油断出来ないと思っていた俺の考えに間違いはなかった。
「貴司、笑うの止めろ。」
「あはは!!お、お前がマジで怒るから面白くてさー。」
「当たり前だろ?理奈に触れていいのは俺だけだ。」
「はあ、すげぇ独占欲だな。理奈ちゃんに嫌われるぞ?」
「煩い、黙れ。」
威嚇するように低い声を出し鋭く睨みつけたが、貴司から言われた言葉が頭から離れない。
独占欲が強いと理奈に嫌われるのか?
束縛したら理奈は俺から離れて行くのか?
もし理奈が俺の側から居なくなったら気が狂うかもしれない。
それぐらい理奈を深く愛してる。
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