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「さて...校長室の前に来たわけだが......」
「? どうかした?」
僕の隣にいる副会長さんは頭の上にクエスチョンマークを浮かべてキョトンとしている。
ソウキュート。生徒会に入って2年経つが未だにマイちゃんのこの笑顔には心癒される。
いやいや、そこは問題じゃない。可愛すぎるのは問題だが。
「呼ばれたのは僕だけだろ?なんでマイちゃんも着いてくるんだ?」
もしかして生徒会室で1人で待っているのが寂しいからとか?もしそうだったら抱きしめちゃう。
しないけど。僕はまだ犯罪者になってテレビに出たくない。
「会長だけだったら話をちゃんと聞かなそうだから......」
そういう理由ですか…。会長は少し寂しいぞ………。
「失礼します」
「……………」
そんな事を思っている僕を無視してマイちゃんは校長室の扉を開けて中に入る。
マイちゃん…。お願い。少しくらい構ってよ……。
「失礼します…」
マイちゃんに続いて僕も校長室の中に入る。
「ふむ……。呼んだのは会長の霧牙(きりが)君だけのはずだが…?なぜ副
会長の華比良さんまでいるのかね?」
校長室の中央にあるでかい椅子に座っている校長が中に入った僕たちを見て言う。
「会長の霧牙君は人の話を聞いてないことが多いので私が補佐としてきました」
……うん。そこまでハッキリ言わなくてもいいと思うよ?僕泣くよ?
「まぁ、よかろう。そこに座りたまえ」
校長は納得し、立ち上がりながら来客用のソファーを指差す。
「はい」
「失礼します」
俺とマイちゃんは隣同士に座り、その正面のソファーに校長は座る。
それで……霧牙君を呼び出した理由だが……」
正直、想像もできなかった。校長が僕を呼び出す理由なんて。いや、心当たりはあった。それは成績のことだ。
僕は生徒会長をやっているが成績はかなり悪い。同学年のあいだでは『威厳のない生徒会長』とか呼ばれてたりする。だが想像していた答えとは違った。この校長が僕を呼び出した理由……それは―――
「今年の新入生の女子更衣室の場所を教えてくれ」
「……はい?」
「……………」
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