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今、なんて言った?ものすごいブッ飛んだ発言が聞こえてきたけど僕の耳がどうかしたのかな?ものすごい犯罪発言が聞こえたような……。
マイちゃんはマイちゃんで校長をゴミを見るような目……いや、言葉では表現できないような目をしている。校長は校長でなんか「あ、やめてその目。感じちゃう」などと言っている。僕は校長をかばうため、もう一度聞いてみることにした。
「あの……すいません。ぼーっとしてて聞いてませんでした。もう一回言ってもらってもいいでしょうか?」
「む?確かに華比良さんが言った通り人の話を聞いていないようだな」
いや、今のは誰だって聞き返すと思いますよ?
「ではもう一度だけ言おう。今年の新入生の女子更衣室の場所を教えてくれ」
よーし。この人は頭がブッ飛んでる。これはもう犯罪者の発言だ。少しでもかばおうと思った僕が馬鹿だった。僕が取るべき行動はひとつ。
「マイちゃん。警察に電話して」
「もうしたわ……」
マイちゃんはそう言って右腕に持っていた携帯を僕に見せる。画面には110の数字が表示されていた。
「仕事が早いね……」
「あたりまえよ…」
「ちょっ!?君たち!?冗談だよ!?更衣室にカメラな んか仕掛けて後でゆっくり女子の着替えを鑑賞しようなんて思っていないよ!?」
今、自分で自分がやろうとしてること全部言ったじゃん。
「校長……あなたって人は……」
最低ですね。人間のクズです。仮にもあなたは学校長でしょう?まぁ、今日までですが。
「ま、待つんだ霧牙君!!君も男ならわかるだろう!?」
何をだよ。いや、聞きたくない。
「女の子の着替えだぞ!?しかも発育途中の女の子だぞ!?それを覗かずして男をやれると思っているのか!?」
「……最低です」
「あぁ。最低だ」
「霧牙君!!見逃してくれたら私の秘蔵女子着替えビデオを見せてやるぞ!?」
よし。決めた。この人は警察に渡す前に殴ろう。
「校長……」
僕は校長の肩に左手を置く。
「分かってくれるか…!!霧牙君……!!」
僕を同志みたいな目で見るのをやめろ。
「とりあえず、歯を食いしばってください」
満面の笑みを浮かべながら(本当に浮かべれてたかは定かではないけど)校長の肩に置いた左手に力を入れる。
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