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「え?え?」
校長は理解していない。さぁ、校長を殴る機会なんて学生やってて絶対にないからワクワクするなぁ。そう思いながら右手に力を込める。
「チェストォオオオオオオオオオオ!!」
「ゲフッ!?」
全身全霊全力全開の右ストレートが校長のお腹に決まる。やべえ。これ超楽しい。
「ナイス、会長。後は警察に渡すだけ」
マイちゃんが親指を立てながら言う。うん。超可愛い。
「だ、だからさっきのは冗談だと……」
「目がマジでしたけど?」
「うっ……」
まぁ、女子更衣室の場所を教えてってのは本当に冗談だと思うけど・・・。後で僕も確認しておこう。い、いざという時のためさ!校長がカメラとか仕掛けてるかどうかをチャックするためにね!!決して覗こうなんて思ってない!
「では、本題に入るとしよう」
お腹を押さえながら校長は話を切り出す。あんた復活早いな。
「実はね。今年の新入生の中に私の一人娘が居てね。早く学校に慣れてもらうために生徒会に入れることにしたんだよ」
「はぁ……」
校長結婚してたんだ。にしても校長の娘か……。何かあったらすぐに、「あんたなんかパパに言いつけて退学にしてもらうからね!」とかいいそうだよなぁ……。
「まぁ、明日生徒会室に行かせるからよろしく頼むよ。役職は適当に決めておいていいし、教師陣と教育委員会とかには適当に言っておくから」
そこは適当にじゃなくて真面目に言って欲しいんですが。
「そこは適当にではなく真面目に言って欲しいんですが…」
ワオ。僕が心で思った事をマイちゃんが言ってくれたよ。これってもしかして運命?
「ハハハ!わかっているよ!まぁ娘をよろしく頼むよ」
「お引き受けいたします。あなたが刑務所にいる間、責任をもって預からさせていただきます」
「ん?刑務所?」
「えぇ。刑務所です」
マイちゃん。笑顔でそんなこと言わないで。怖いです。
「ん……?」
どこか遠くでパトカーのサイレン音が聞こえる。サイレン音はどんどん近づいてくる。ここで僕は確信した。マイちゃん……本当に通報したんだ……。
「ちょっ!?あれは冗談って言ったじゃないか!!」
校長は慌てて立ち上がり、校長室から逃げ出す。その姿はもう校長としての威厳もクソもない姿だった……。僕はその姿を見送った。手を振った。馬鹿だなぁと思いつつ。
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