杞憂香織が生徒会にやってきた

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「確かに去年、僕は副会長だったよ。当時の三年生の会長が引退してから僕に回ってきたんだ。拒否権なしで問答無用に会長にさせられたよ……」  今思えば無茶苦茶な人だったな。 「その時、書記だった私が空いた副会長に入ったのよ。……霧牙君がやけに推薦してきたってのもあるけど……」 だってこんな可愛い子が会長の右腕である副会長だったら超嬉しいじゃん?  「じゃあ今、書記が空いてるんですね?」  やっぱすごいやる気だな…。僕が引退する時には杞憂ちゃんを次期会長に推薦しよう。 「いいえ。もう代わりの人が入ってるのよ」 「えぇー!?」 「ちょっと待って。今、生徒会の名簿を確認するわ」  マイちゃんは生徒会名簿と書かれたファイルを取る。それと同時に僕はふと思う。 今、生徒会に空いている役職なんて……。 「ないな……」 「……ないわね」 僕とマイちゃんが初めてハモった瞬間でした! もうやっぱり運命なんじゃないの?  「そんなぁ!? どこか空いてないんですか!?  広報とか、掃除とか、お茶汲みとか、ゴミ出しとか!!」 もはや最後の方雑用じゃないか……。そういえばお茶汲みなんてのが昔この学校の生徒会であったらしいけど……。僕の代でまた復活させるってのも悪くないかも。だって生徒会室に来れば女の子が淹れたお茶が毎日飲めるんだよ? それだったらやる気も出るってもんだよ。 「じゃあさ、空きが出るまではお茶汲みでどう? 空いた場所があったら優先して入れてあげるからさ」 「本当ですか!? このド変態妄想癖会長!?」 「うんうん。もちろんさ」  ……は? 今、すごい失礼なことを言われたような気がするんだけど!?  「やったぁ! ありがとうございます! このド変態妄想癖会長!」 「そのド変態妄想癖を付けるのをやめろ。今すぐにだ」 「否定はできないでしょ?」  ………マイちゃん。いくらなんでも酷いよ?  かれこれ一年近くの付き合いなのに………。いや、だからこそか。 「否定できないでしょ? たまに私を妹キャラに例えて妄想してるじゃない」  どうしてそれを!? なぜ知っているんだ!? 「途中で声出てるのよ・・・気持ち悪い」  あぁ……僕の高校生活ライフ終わった……。 いや、ここで挽回していいところを見せねば! 「じゃあ新しい子も入ったことだし今日は俺の家で歓迎パーティーでもやるか?」
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