ボケない努力

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おじいちゃんが昨日、ボケ防止の本を買ってきていた。なんでこんな本を買ってきたのかを質問すると 「まだまだお前さんの顔は忘れたくないからのぉ」 と言っていた。その時の力強い表情は決意に満ちていた。今日の朝から、早速本にかいてある内容を実践していた。簡単な計算を繰返したり短い文章を朗読し、その文章を書き写すなど確かにボケ防止に効きそうなことをしていた。所々つまったり苦戦したりするところもあったが、おじいちゃんは諦めずに挑戦していた。わたしは嬉しかった。わたしのためにおじいちゃんがこんなに頑張ってくれていることが。一時間近くもやって流石に疲れたのか、おじいちゃんは気分転換に出掛けた。そして、暫くして帰ってきてこう言った。 「実は本屋でいい本を見つけてのぉ」 おじいちゃんは買い物袋の中からボケ防止の本を取り出した。
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