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なんだか最近体調が悪い。体が怠く、咳も出て、頭痛も酷い。何よりも熱が三十九度もある。普段は風邪も引かないような頑丈な体だが、今回ばかりは私も風邪かなにかにかかってしまったのだろう。
まぁ、ただの風邪なら大して心配もいらないだろう。だが、このまま長く風邪をこじらせて学業に支障が出てはいけない。取り敢えず病院に行って早く治すとしよう。
だが、病院で私を待ち受けていたのは予想もしないような悲劇だった。
「あなたは重い内蔵の疾患にかかっています。今すぐに手術をしなければ死んでしまいます。」
と、はっきりと告げられたのだ。私はすぐにその病院に入院し、手術をお願いした。結局、手術は無事に成功し、頭痛や熱もきれいさっぱり無くなった。更に、予想よりかなり早く退院の許可も出て、私はこの医者にお礼を述べてさっさと退院した。
だが退院後、異変はすぐに表れた。食欲はなくなりどんどんと痩せていき、体はどんどんと重くなり、入院前よりも明らかに体調が悪くなっていた。
そこで、手術をしてもらった病院にもう一度診て貰ったが、返ってきたのは
「恐らく、手術で低下した体力が、日常生活に追い付いていないだけでしょう。」
などと、まるではぐらかされたかのような返事だった。
不満に思った私は、別の病院でもう一度検査してもらうことにした。そして返ってきた結果は、本当の絶望だった。
「ここ最近、貴方が何らかの内蔵の疾患にかかった跡はありません。」
じゃあ、私の体調不良はいったいなんだったのだろう?
「恐らく、元々の体調不良はただの風邪かなにかだったのでしょう。しかし、今の体調不良はもっと別の原因です。」
いったいそれはなんなのだろう?
「体調が悪い筈ですよ。あなたの体からは、内臓が幾つか取り出されているのですから。」
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