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さて。 みなもが何かをできるわけではないから、家事はぜーんぶ、オレ。 一週間前と比べればまあ洗い物はできるようになったけど、それ以外は壊滅的だ。 台所を見て、ため息をつく。 何で、って。洗い物はできても、片付けがダメだ。 まあ、猫って水は苦手だからな。 そこは評価すべきか。 みなもはまるで謝るように、そのオレより高い身長でオレに抱きついた。 耳元で、「………ごめん」と、ただ一言。 まあね、みなもは頑張ってるし、わざとじゃないし。 「やりたくてやったわけじゃないんでしょ。…なら、謝る必要ないよ。みなもはよく、頑張った」 褒めれば人間だって犬だって猫だって伸びる。 だから褒めてやったのに。 “ちゅ” なぜ、こうなる。 からの頬に、 “ペロペロ” ………猫か。 あ、猫だった。 「………ありがと。こうせい」 「ん」 やっぱり猫だな。
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