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ここは、県内でも有名な進学高校。 偏差値的には普通だけど、努力家が集まった高校だ。 一歩門をまたげば、普遍的日常。 朝練の声やおはようという挨拶の声。 はたまた、朝っぱらから二人で登校してくるいちゃいちゃカップル。 目障りじゃないけど。むしろ見てて微笑ましくなるけれど。 いちゃいちゃされていると、目のやりどころに困る。 昇降口で靴を履き替え、自分の教室に向かい、今日はまだ使われていない黒板に目をやり。 今日はあのプリントの提出日かと思い出して。 「こうせー?どした、黄昏てよー」 「そんなことない」 「いや、否定すんなよ」 黄昏てる、とはちょっとニュアンスが違うような。 ぼーっとしてた、が正しいか。 目の前に座る青い髪の毛。 白のメッシュ入れてる彼の名前は松山 蒼斗。 転校してきたため、中学一年生の後半からのお付き合いだ。 青が好きなのか、青のカラコンもいれてる青青男。 中身は誠実な方だ。 基本的にこの学校は校則が緩い緩すぎる。 始業式や終業式、入学式や卒業式など、ちゃんとした行事の時だけしっかりしていればいいという思考だ。
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