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それと、あいつはすごく弱かった。
本当に本当に弱いやつだった。
だから僕は敵を放って
あいつが強くなるように仕向けた。
君には手を汚してほしくなかった。
それにどのみち
あいつが強くならなきゃ
あいつは君を守り切ることができない。
だからあのドアが開いたとき
逞しいあいつを見て嬉しかった。
これで君を任せられると思った。
だからあいつが向かってきたとき
抵抗はせずにただ受け止めた。
あいつの強さを確認するために。
そして充分だと思ったから
僕は自ら進んで止めを刺された。
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