1-1章「命の日」

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「あらあら、スミカはいつもあんな感じなのよねぇ」 スミカが出て行った入り口へ視線を送っていたティアの意識の外側から、よく通る女性の声が聞こえた。 振り向くと、小脇に大量の薪を抱えたエプロン姿の少女が立っていた。 「リナ先生!!」 ティアの周りに群がっていた子供達が薪を抱えた少女のような姿の女性・・・リナ に流れていく。 「あなたたちも、あんまり群れるんじゃないの!ティアお姉ちゃんもそれじゃ困 っちゃうでしょう?」 子供達に群がられながらも、器用にそのまま歩みを進めるリナ。 薪を広場の一角に置き、エプロンに付いた汚れを払いながら、オッドアイの両目 を細めるような笑顔で子供達の相手を始める。 その光景を眺めながら、ティアも微笑みを漏らす。
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