1-1章「命の日」

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すぅすぅと規則正しい寝息を再び立て始めた頃、木製のドアが音を鳴らしながら開かれる。 「おい・・・まだ寝てるのか?」 スラっとした長身の男性が部屋の中を覗き込むようにして声を出す。 ベッドには毛布の塊が横たわり微かに上下している。 「まぁ最近忙しかったからな・・・」 そのまま部屋へと足を踏み入れ、ベッドまで歩み寄る。 全く起きる気配を見せない毛布の塊の上のほうを捲る。 サラサラの少し青みを帯びた黒髪が額を隠している。 指先でその髪を分けて、額にデコピンを見舞う。
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