1-1章「命の日」

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体を覆っている毛布を自分で捲り、半身だけ体を起こす。 纏わり付くようにサラサラと青みを帯びた黒髪が背中に垂れる。 「ありがとう兄さん。すぐ準備しますので」 ベッドから降りるように、ひんやりとした床に足をつけた。 「ああ。飯、準備しておくからな」 それだけ言い残すと少女の兄は部屋を出て行った。 しばらくの間、床につけた自分の足に視線を落としていた。 「もう三年も経つんだね・・・」 誰に言うでもなく、少女・・・ティアは小さくそう呟いた。
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