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体を覆っている毛布を自分で捲り、半身だけ体を起こす。
纏わり付くようにサラサラと青みを帯びた黒髪が背中に垂れる。
「ありがとう兄さん。すぐ準備しますので」
ベッドから降りるように、ひんやりとした床に足をつけた。
「ああ。飯、準備しておくからな」
それだけ言い残すと少女の兄は部屋を出て行った。
しばらくの間、床につけた自分の足に視線を落としていた。
「もう三年も経つんだね・・・」
誰に言うでもなく、少女・・・ティアは小さくそう呟いた。
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