1人が本棚に入れています
本棚に追加
兄が家を出て行った後に続くようにして家を後にした私は、緩やかな坂道を登っていた。
この緩やかな坂道を登りきったところに孤児院があるのだ。
坂の途中で振り返れば、今まで慣れ親しんだ村が一望出来る。
村の中央に位置する広場には人影が窺える。
広場を囲むように様々な露店を出している露店商達と、疎らに立つ建物。
視線を上げれば遠くに海も見える。
私が生まれ、育った小さな村。
「・・・」
しばらくその景色を眺めていたが、正面に向き直り坂を上る。
間もなく孤児院に着く。
最初のコメントを投稿しよう!