お茶会の始まり

3/4
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
見下ろされなくなって、少し恐怖感は和らいだ。 「藤森ありす、だな?」 「はっ、はいっ」 その代わり顔が近くて緊張する。 でも、緊張してる私の態度は誤解を与えてしまった。 少し傷付いた表情をした後、さっきまでとは違う優しい声音で。 「怖がるな」 そう言って頭をポンって叩いた。 「俺は三月兎の佐々木恭輔。一応この店の店長だ。よろしくな」 怖がらないように接してくれるこんな優しい人に、さっきの私は酷い態度だった。 それが申し訳なくて、自分に出来る限りの笑顔で頭を下げる。 「宜しくお願いします」 それを見た佐々木はちょっと驚いた後、ホッとしたような顔を見せた。 そんな佐々木を見て、私も安心した。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!