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お茶会の始まり
ガキだった頃から、何度も何度も聞かされた不思議の国の物語。
それに纏わる、何代も前から続く店と役割。
最初っから気に食わなかった。
見ず知らずの奴を、何で俺が導いてやらなきゃならない?
大体、三月兎ってなんだよ。
兎って時点で、時計を持った奴と被ってんじゃねーか。
―けど、初めてあいつを見て、俺の中の血が騒いだ。
逢いたい、話したい、触れたい。
純粋な欲が全身を駆け上がった。
こんな感覚、初めてだったんだ。
だから俺は此処に来た。
あいつに逢うために―――。
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